2012年2月3日金曜日

A Prophet

2月... 先月殆ど更新していないインフェスが悪びれず登場。

先週末、2012年一発目の映画を観てきました。 『預言者』という2009年のフランスの作品です。
刑務所が舞台の映画となれば... いつ行くの?今でしょ!って具合でヒューマントラストシネマ渋谷へ。


















映画の内容ですが、傷害罪で猛者どもが集まる中央刑務所へ放り込まれる19歳のチンピラ、アラブ系の青年マリクが恐怖と野心に揺れ動きながらも正義泣き成長を獄中で遂げる様は口をあんぐり開けて惹き込まれました。

大抵の映画でも出てくる刑務所の派閥や組織が人種民族や宗教の違いで構成されいてる舞台は想像できていましたが、事細かに描かれた刑務所内での囚人達の対立図と駆け引きをメインに持ってきているためかなり楽しめました。

アメリカと同様に多種多様な人種が存在するフランス社会の悪の縮図といえる、刑務所という社会でマリクがコルシカ系マフィアに虐げられながらもそのグループに身を置き生き残るためのスキルを盗み、コルシカ系と対立するアラブ系との危険な橋渡しをフラフラしながらもその橋を渡りきり成りあがっていくさまは、150分という時間を感じさせない展開でこの映画の製作スタッフの巧さが伝わり、作り手の凄さを今までの映画より意識したように思います。

それにしてもこの主人公マリクを演じた、タハール・ラヒムの演技力は素晴らしいのひとこと。
刑務所にブチ込まれ時の無口ながらも虚勢を張りオドオドした仕草からの次第に力をつけ各囚人達への顔利きになる“正義泣き成長”をして弱さを残しながらも逞しさを感じる表情への変貌具合の演技が無理なく妙にリアルに感じるところに魅せられました。

終盤でヤクザ抗争よろしくな大きなことやってのけて、少し良くも悪くも映画らしいシーンになってしまいますが、淡々と進むストーリーでありながら飽きを寄せ付けない内容にインフェス的名作としてノミネートされましたw
正義や優しさを微塵も感じさせない暴力的描写を美しくもリアルに描く様はさすがおフランスといったところでしょうか。

あとは個人的なもやもやに終止符を打ってくれた作品でもありました、それは...
『アメリカンヒストリーX』を観た後に期待に胸を膨らませ臨んだ、『アニマルファクトリー』の消化不良具合を見事に払拭してくれた作品であったことをどうしてもここで言いたかった!ってコトで。

映画『預言者』予告編


ぐれいとなオススメ作品です。

see ya!

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